主に企業ネットワーク内でユーザーが Google 検索を利用する際に、必ず SafeSearch を適用させるため、DNS レベルで Google のドメインを forcesafesearch.google.com にマッピングする一般的な方法です。以下は主な手法とその注意点をまとめた説明です。
1. DNS レベルでの強制リダイレクト
Google では、ネットワーク管理者向けに SafeSearch を強制する仕組みとして、DNS エントリの上書き(オーバーライド)を公式にサポートしています。手順は以下のとおりです。
1.1 基本の考え方
- 目的 ユーザーが「google.com」または「www.google.com」にアクセスしたとき、DNS の問い合わせで通常の IP アドレスではなく、forcesafesearch.google.com の IP アドレスを返すようにする。 この結果、ブラウザは実際には forcesafesearch 経由で Google の検索結果を受け取り、SafeSearch が常時適用されます。
1.2 主な設定手順
- DNS サーバーの管理コンソールにログイン 自社管理の DNS サーバー(Windows Server の DNS、BIND、あるいは業務用DNSサービスなど)にアクセスします。
- 対象ドメインの選定 通常は「www.google.com」が対象となりますが、場合によっては「google.com」や各国・地域用の Google ドメイン(例:www.google.co.jp、www.google.co.uk など)も同様に適用する必要があります。 ※なお、DNS の仕様上、ゾーンのルート(apex)のドメインに CNAME レコードを設定できない場合は、ALIAS(または ANAME)レコードや A レコードの上書きといった方法も検討してください。
- CNAME レコードの追加 以下のような設定を行います(例:DNS サーバーが BIND の場合):dns
;
例:BIND のゾーンファイル(db.google.com の一部)
$TTL 3600 @ IN SOA ns1.example.com. admin.example.com. ( 2023100501 ; serial 3600 ; refresh 1800 ; retry 604800 ; expire 86400 ) ; minimum ;
強制 SafeSearch 用エントリ
www IN CNAME forcesafesearch.google.com.
Windows DNS マネージャーの場合は、- 「[新しいリソース レコード]」→「CNAME (エイリアス)」を選択
- エイリアス名として「www」を指定し、対象の完全修飾ドメイン名(FQDN)に「forcesafesearch.google.com」を設定します。
- 内部 DNS の統制 ユーザーが外部の DNS サーバー(例:Google Public DNS や DoH など)を直接参照しないよう、企業ネットワーク全体で内部 DNS サーバーを強制利用するよう設定してください。 たとえば、ルーターやファイアウォールで外部 DNS へのアクセスを遮断・転送する方法が有効です。
1.3 動作の流れ(ASCII フローチャート例)
[ユーザーのPC]
│
DNS クエリ: www.google.com
│
┌───────────────────┐
│ 社内DNSサーバー │
└───────────────────┘
│
── CNAME 置換ルール ──► www.google.com → forcesafesearch.google.com
│
DNS 応答:forcesafesearch.google.com の IP
│
[ブラウザ接続]
│
forcesafesearch.google.com に接続
│
Google 検索結果(SafeSearch 強制適用)
2. ネットワークレベルでの追加対策
2.1 DNS over HTTPS(DoH)対策
近年、ユーザーがブラウザや端末で DNS over HTTPS (DoH) を利用するケースが増えています。DoH はユーザーの端末からの DNS 問い合わせを直接 DoH サーバに送信するため、内部 DNS サーバーの設定が回避されるリスクがあります。
→ 対策: ネットワークのファイアウォールやプロキシで DoH トラフィックを検出し、ブロックまたは企業管理の DNS サーバーにリダイレクトするルールを導入してください。
2.2 HTTPS の証明書について
- ポイント: 強制 SafeSearch の仕組みは、forcesafesearch.google.com が公式に管理しているため、通常の HTTPS 証明書が有効です。
- 注意点: ユーザーが IP アドレスを直接入力したり、特定の方法でアクセスするケースでは、証明書エラーが発生する可能性があるため、ネットワーク利用ガイドラインの周知・教育も合わせて行うとよいでしょう。
3. まとめと注意事項
- 目的の再確認: 企業内で Google を利用する際に SafeSearch の強制有効化を実現するため、DNS レベルでwww.google.com(および必要な他の Google 関連ドメイン)を forcesafesearch.google.com にマッピングします。
- 設定対象の網羅: 地域別のドメインや、画像検索用のドメインなども必要に応じて同様の手法を検討してください。
- ネットワーク統一: 外部 DNS への直接アクセスを防ぐため、すべての端末が内部 DNS サーバーを参照するようネットワーク全体のポリシーおよびルーター・ファイアウォールの設定を徹底することが重要です。
- 最新情報の確認: Google の運用ポリシーや推奨事項は変更される場合があります。導入前に最新の公式ドキュメント(例:Google の SafeSearch 管理ガイドなど)を必ず確認してください。
4. さらに検討すべき関連施策
- プロキシサーバや Web フィルタリングの併用: DNS レベルの対策に加え、Web プロキシサーバやファイアウォールの URL フィルタ機能を用いて、さらに厳格な利用制限を設ける方法もあります。
- 利用者への周知と教育: ネットワーク構成だけでなく、エンドユーザーに対して安全なインターネット利用のガイドラインやアクセス例外の取り扱いについても明文化することで、運用時の混乱を防止します。
- ログ監視と定期検査: 強制 SafeSearch の適用状況について、DNS サーバーやプロキシのログを定期的に確認し、意図しないバイパスがないか、または設定の不備が生じていないかをチェックする仕組みも検討してください。
このような設定を行うことで、企業内で Google 検索を利用する際にユーザーが必ず SafeSearch を利用する環境を構築できます。ネットワーク全体の方針や利用環境に合わせ、DNS サーバーだけでなく関連するセキュリティ機器やポリシーとの整合性をとることが成功の鍵となります。
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